メインのNAS更改を検討し始めました。データ移行中の万が一の事態に備え、まずはデータの避難場所を確保すべく、少し古いモデルのQNAP TS-212Pを使ってバックアップ用のNASを構築することにしました。今回はその構築手順を簡単にご紹介します。
なぜ今、QNAP TS-212Pなのか?
TS-212Pは数世代前のモデルではありますが、基本的なNASとしての機能は十分備えています。今回はあくまで一時的なデータ避難と、今後のバックアップ用途なので、安価に入手ができるこのモデルを選択しました。
HDDのベンダーロックもないしね
QNAP TS-212P セットアップ手順
それでは、早速セットアップ手順を見ていきましょう。
1. Qfinder ProでNASを検出
まず、QNAPのNASをネットワーク内で見つけて設定するためのユーティリティソフト「Qfinder Pro」をPCにインストールします。起動すると、同じネットワーク上にあるQNAP NASがリストアップされます。
今回セットアップするTS-212Pが見つかりました。「サーバーはまだ初期化されていません」と表示されるので、「はい」をクリックしてスマートインストールガイドを開始します。
2. ファームウェアの準備
古いモデルなので、まずは最新のファームウェアを確認・準備します。QNAPの公式サイトからTS-212P用のファームウェアをダウンロードしましょう。
参考画像:下記のスクリーンショットは2025年5月時点のものです。必ずご自身の環境で最新版をご確認ください。
3. ファームウェアのインストール
ダウンロードしたファームウェアイメージファイルを指定し、インストールを開始します。
注意:ファームウェアのインストールによって、すべてのドライブデータが消去されます。
ハードドライブの初期化とファームウェアのアップロードが始まります。しばらく待ちましょう。
4. スマートインストールガイド開始
ファームウェアのインストールが完了すると、NASが再起動し、ようこそ画面が表示されます。「スマートインストールガイド開始」をクリックして、初期設定を進めます。
5. NASの名前と管理者パスワードの設定
NASに任意の名前を付け、管理者アカウント(デフォルトはadmin)のパスワードを設定します。
6. 日付と時刻の設定
タイムゾーンを選択し、日付と時刻を設定します。通常は「インターネットタイムサーバーに自動的に同期化」を選択しておけば問題ありません。NTPサーバはCloudflare Time Servicestime.cloudflare.com
を指定しました。
7. ネットワーク設定
ネットワーク設定を行います。固定IPアドレスを割り振るか、DHCPで自動取得するかを選択できます。今回は固定IPアドレスを設定しました。環境に合わせて入力してください。
8. クロスプラットフォームファイル転送サービスの設定
Windows、Mac、Linux/UNIXといった異なるOS間でファイルを共有するためのサービスを選択します。必要なものにチェックを入れましょう。今回はWindowsとLinux/UNIX (NFS, SMB/CIFS, File Station, FTP) を選択しました。
9. ディスク構成の選択
最後にディスク構成を選択します。今回は2台のHDD(TOSHIBA MN07ACA12T 12TBモデル)を搭載し、RAID 1(ミラーリング)で構成しました。RAIDタイプを選択し、適用します。
設定が完了すると、NASが構成を開始します。しばらくすると、管理画面にアクセスできるようになります。
まとめ
古いモデルとはいえ、QNAP TS-212Pでも基本的なバックアップ用NASとしては十分機能することが確認できました。メインNASのデータ移行が無事完了するまでの間、そしてその後も定期的なバックアップ先として活躍してくれることを期待しています。
NASのセットアップは手順さえ分かればそれほど難しくありません。この記事が、どなたかの参考になれば幸いです。
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